ニューズレター第15号(2009年3月25日発行)より抜粋
「支部研修会に対して」  副支部長  郷久 鉞二

 日本音楽療法学会北海道支部研修会も回を重ねて、次回で15回目になります。回を重ねるに従って少しずつ内容が充実してきていると思っているのは私一人だけでしょうか。最近の形式としては、一般演題、医学ミニレクチャー、教育講演、シンポジウム、レポート作成に春は総会が加わっております。<一般演題>は、数ある中から内容をチェックし厳選された上に、抄録も何回も書き直して頂いたものを発表してもらっています。これらはどれも大変興味深くまた、懸命に音楽療法を行っていることが良くわかる内容ですが、抄録の書き方、発表形式、データの取り方など、医学論文形式とは少しずつ異なっているのが、どれにも共通していると思います。今度、ミニレクチャーで「医学論文発表の形式」について説明したほうが良いと感じています。<医学ミニレクチャー>は、会員の医師が交代で、からだとこころの医学的な知識を短時間でまとめて講義するもので、他の地方会の人たちから羨ましがられているものです。私は、医学のみではなく心理学、看護学、法律学、社会学、教育学、宗教などの専門家にもミニレクチャーをお願いしても良いのではないかと思っております。<教育講演>は、音楽療法に関連した、その道の先人たちの中から高名な専門家を選んで招請し、」十分な時間をとって後援して頂いています。皆さんも招請を希望する方がおられましたら、お知らせ下さい。
 <シンポジウム>は、北海道におられる認定音楽療法士が、順番で発表して、活発に行われ、実践の苦労や、やり方やデータの取り方まで、先輩としての経験を披露して頂き、十分な質疑応答を行うことにより、お互いに勉強し合っています。<総会>も最近は、支部立ち上げの時や現在の中央のようにもめることもなくスムーズに議事が進行しています。これは支部長はじめ現評議員の努力と皆さんの協力の賜と思っております。皆さんも、いつ、どんな国家資格ができても対応できるように、本研修会を利用して発表や勉強の実績を積んで置いて下さい。

 日本音楽療法学会北海道支部14回研修会報告

 さる10月26日かでる2・7において第14回の支部研修会が開催された。我々を出迎えるかのように、植物園の紅葉が色鮮やかに陽に映えていた。一般演題@の三浦氏、他領域のスタッフとともに数値化しにくいところを数値化したのが良いと思われる。座長から指摘の通り既往歴や環境の明示、結果と考察の整合性が必要と思われた。Aの菅原氏、着眼点は良いと思われるが、もう少し客観的な捉え方が見えると、より説得力のある発表になると思われる。座長から指摘を受けたところを今後の課題として更なる向上を期待したい。Bの菅原氏、抄録を書き上げてから演題のテーマを決めるやり方も考えられる。また、音楽療法士と音楽教師の違いについての説明を参考にして頂きたいと思う。今回発表された3名の方は、この貴重な経験を踏まえ、今後更なる向上を期待したい。

 長谷部先生の医学ミニレクチャーは、境界性パーソナリティー障害の特徴・対応を判りやすく簡素に精神療法としての医師の立場からのお話であったが、対象者対応については、MTにとっても最も参考にすべきと思われた。資料のプリント戴きたく思う。
 佐治順子先生の教育講演は、パーキンソン病患者を対象にした実践的音楽療法の臨床面・研究面において、適格かつ具体的に示唆に富むお話であった。音楽療法の前・中・後において、様々な生理的指標の変化による効果についての分かりやすいお話と、質的研究の大切さとさらに、継続することで量的研究にも十分なりうるなど支部会員へデーター収集の必要性を話され最後に、絶対に、研究の為の音楽療法にはならないことを強く説かれた。
 続いて行われたシンポジウムは、認定音楽療法士が資格取得後の臨床において「心がけていること」など症例をもとにレジメにまとめビデオを交えてのお話であった。座長を交えて話し合いをする時間がなくとても残念である。今後の課題といえる。(文責・安藤)

北海道支部第15回研修会(終了)のご案内です

日時平成21年5月24日(日)10:00〜16:00
場所:北海道医療大学札幌サテライトキャンバス
    (札幌市中央区北3条西4丁目 日本生命札幌ピル5F)
プログラム(予定)
10:00〜11:30 一般演題
11:30〜12:00 医学ミニレクチャー:郷久副支部長
13:00〜14:00 北海道支部総会
14:00〜15:30 教育講演:武田秀勝先生(札幌医科大学教授)
15:30〜16:00 レポート作成

研修会費 会員:2,500円 学生会員1,000円
        非会員:4,000円 学生:2,000円(学生書提示)


○研修会および支部総会の参加申し込みについて:参加申し込みの締切りは5月15日(金)です。必ず申し込みをお願い致します。
○演題募集について:
一般演題抄録の締め切りは4月25日(土)です
・必ず簡易書留にて事務局まで送付してください。
・抄録の書式については、対象者および目的・方法・経過および結果・考察の形式で、A4用紙1枚に10.5ポイントで48文字x40行でまとめてください。詳しくは音楽療法士規則P11〜12の『事例研究レポートの作成要領書式』を参照ください。但し、未発表のものとします。
・必ず事例研究に係わる同意書・誓約書を作成してください。同意書は各自で保管し、誓約書のみを提出してください。書式については事務局にお問い合わせください。

日本音楽療法学会北海道支部事務局
【住所】 〒062-0922
札幌市豊平区中の島2条1丁目3-25 カムオンビル

ニューズレター第14号(2008年8月27日発行)
ニューズレター第16号(2009年8月25日発行)

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