ニューズレター第6号(2004年10月18日発行)より抜粋
 「支部長あいさつ」北海道支部長  久村正也

 道支部会員の皆様、こんにちは。
 平成16年度支部総会で、支部長を仰せつかりました久村でございます。
ニュースレターの紙面をお借りして、ご挨拶申し上げます。
 道支部は栗林文雄初代支部長の大変なご努力で2002年9月に誕生いたしました。そのご苦労の一端は本紙2号で栗林先生が自ら述べられているところです。
 その後、道支部は郷久鉞二代行に引き継がれ、順調に運営されてきました。
 これら優れた指導者の後をついでの本職はまことに責任重大であり、荷の重いことでありますが、会員諸氏のご支援とご鞭撻を賜りながら責を果たしてまいりたいと考えております。
 ご承知のとおり、現在の音楽療法界はさまざまな問題を抱えております。国家資格化の問題、音楽療法士に対する社会的認知あるいは待遇面に関する問題、音楽療法士養成の問題など、どれをとっても大きな課題であります。道支部は学会本部、さらに各支部との連携を密にしながら、これらの課題に建設的にかかわっていきたいと考えております。
 道支部の活動は従来の路線を基本にいたしますが、これに少しく工夫を加え、例えば、講習会では原則として他の心理療法の解説を行うこと、音楽療法に必要な医学講義を取り入れることなどを予定しております。
 また、道支部は会員の皆様のものであるという自明の理から、お一人でも多くの会員のご意見をいただくために事務局に提案箱を設置することにし、先の支部評議員会で了承を得ております。
 さらに道支部のホームページの開設も目前であります。
 以上、支部長としての考えのいくつかを述べさせていただきましたが、道支部が順調に育っていくためには、会員皆様お一人おひとりの熱意、協調性、批判性、改善指向意欲が必要であります。
 この辺りご賢察下さり、道支部発展のために、今後ともよろしくお願いいたします。
 

 北海道支部第5回研修会報告
○日本音楽療法学会北海道支部第5回研修会 
   日時:平成16年5月30日(日) 9:30〜16:00
   会場:北海道医療大学サテライトキャンパス
--プログラム--
10:00〜11:00 一般演題(3題)
11:00〜12:30 教育講演 
「音楽療法の効果を考える〜認知行動療法から見た音楽療法〜」
北海道医療大学心理科学部教授・坂野雄二
13:30〜14:30 平成16年度総会
14:30〜16:00 ワークショップ 
高齢者−認定音楽療法士 安藤妙子
精神科−認定音楽療法士 後久清子
16:00〜16:45 レポート作成
17:00〜 懇親会 KKR・ホテル札幌(北4条西5丁目)
 
【参加者より】北海道支部第5回研修会に参加して 佐原由美子

 事例発表として「意識障害のある症例に対する音楽療法の試み」として橋本文絵氏が発表、音楽療法による脈拍数・姿勢・筋緊張・覚醒・表情の変化を数量化され発表された。二人目の発表は小集団における高齢者音楽療法でコミュニケーションの促進と午後に向けての活性化として発表された(近藤珠世氏)。セッションの内容の一部をビデオで発表が行なわれた。1.挨拶後、マッサージ、2.動作歌、3.大きな風船使用例、4.流行歌、5.ハンドベル、6.トーンチャイム使用例などであった。
3人目は精神通所作業所における音楽療法の効果についての症例として丸山佳子氏が発表された。短期目標をIII期に分けられた。
 教育講演は坂野雄二先生、認知療法から見た音楽療法として行なわれた。なぜ音楽療法が効くのか、リラクセーション・活性化・逆制止の原理・ディストラクション・セルフエフェガシー・コントロール間の獲得・治療者からの積極的強化の各項目で講義が行なわれた。(午後総会あり)
 高齢者への音楽療法に回想法を使って行なう。セッションのロールプレイを行なう。安藤妙子先生 1.ストレッチ、マッサージとか挨拶、2.発声、3.ハンドドラムのステッィク打ち、4.リズム打ち、5.歌、6.トーンチャイム、7.各種小道具使い。それぞれのセッション例を説明と共に提示。精神科の音楽療法の実践という事として講義が行なわれた。後久清子先生 (1)病気からの離脱、(2)発散、(3)対人交流、(4)共感、(5)自己成長を促す。以上を念頭にセッションを行なう。
 事例研究発表の折、久村先生の発言なさった科学的な数量化の必要性を感じました。そしてその視点・検証の難しさについて考えました。今後の私の課題でもあります。高齢者のためのセッションに関しては内容が大変参考になりました。問いかけが自然な形で行なわれクライエントに寄り添ってゆく姿勢が大切だとあらためて痛感いたしました。
 私自身、音楽・曲・リズムすべてにおいて、工夫・努力が必要であると思いました。
(※当日のアンケートより抜粋させていただきました)
 

【編集後記】 (文責:編集委員長 呉竹仁史)

 朝晩の風に寒さを感じるこのごろですが、会員の皆様いかがお過ごしですか?何かと行事の多い季節、お忙しくご活躍のことと思います。
 われわれ編集委員会も新たなスタートを切ることとなりました。
 編集委員会として 今井常晶委員、関谷正子委員、中山ヒサ子委員とともに力を合わせて進めていきたいと思います。
 今後ともご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
 

日本音楽療法学会北海道支部事務局
【住所】 〒062-0922
札幌市豊平区中の島2条1丁目3-25 カムオンビル

●ニューズレター第7号(2005年3月31日発行)


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