ニューズレター第7号(2005年3月31日発行)より抜粋
 「支部長あいさつ」北海道支部長  久村正也

 会員の皆様、こんにちは。
 例年にない大雪の冬でしたが、お元気でお過ごしのことと拝察申し上げます。
 平素は支部の運営にご協力賜りまして、誠に有り難うございます。
 昨年11月の第6回支部研修会も盛況のうちに終わり、学会はまもなく新年度を迎えます。
 昨年は音楽療法士の国家資格化問題をキッカケに、学会の抱える幾多の課題が大いに議論された年でした。全会員の率直な意向を確かめるためのアンケート調査が為されたことはご承知の通りです。学会の将来像としてどのような方向性が打ち出されるのか、結果が待たれるところです。
 いかなる方向性が打ち出されようと、普遍的に言えることは、“良き音楽療法士”になろうとする強い意欲と研鑽の必要性でありましょう。
 今回も支部に4人の新しい音楽療法士が誕生致しました。支部のもつ教育資源を十分に活用されて、さらに多くの良質な音楽療法士が誕生することを心から期待しております。
 新年度の支部総会、第7回支部研修会は来る6月5日に開催されます。本号の開催案内をご参照の上、お一人でも多くの会員のご参加をお待ちしております。

“Es irrt der Mensch, so lange er strebt”
(人間は努力する限り、迷う)
 ゲーテの言葉です。当学会の現在の混乱も、会員諸氏の努力の証しであることに思いを馳せて、よりよい学会の実現に向けて個々人が協調しながら精進することが大切のように思われます。
 最後になりましたが、支部会員皆様のご健康とご活躍とをお祈り申し上げます。
 
 北海道支部第6回研修会報告
○第6回 日本音楽療法学会北海道支部 支部研修会
  日時:平成16年11月28日(日)10:00〜16:00
  場所:北海道医療大学 サテライトキャンパス
  --プログラム--
  (1)10:00〜11:00 一般演題3題
  (2)11:00〜12:30  
   教育講演「コラージュ療法への誘い」講師:細谷紀江氏
   ・昼食 12:30〜13:30
  (3)13:30〜14:00
    医学ミニレクチャー  講師:久村正也会員
  (4)14:00〜15:30
   シンポジウム「各臨床における音楽療法の実践」
   シンポジスト:今井常晶氏 澤田悦子氏 浅野雅子氏
          長谷部夏子氏(各認定音楽療法士)
  (5)15:30〜16:00 レポート作成
 
【参加者より】北海道支部第6回研修会に参加して 葛西絵理子

  最初に事例研究として3題の発表があった。精神科領域では川村佑子氏が、昼夜逆転、対人恐怖の克服に、対象者が興味を示していたギタ−を使用し、仲間作りをしたり、自分の居場所を見つけていった例を発表した。児童領域では武田克江氏が、健常児と障害児が一つの目的に向けて取り組みながら、地域の中でノ−マライゼ−ションを確立していくという発表をした。高齢者領域では新森弥江氏が、アルツハイマ−型痴呆で孤立傾向、情緒不安定の対象者に対して、音楽療法によって集中できるようになったり、活動に次第に意欲を見せていく様子などを発表した。
 教育講演は細谷紀江先生による「コラ−ジュ療法への誘い」というもので、雑誌の中から好きな部分を切り抜いて台紙に貼り、その作品を見ながら制作者の内面を読みとっていくというものであった。久村正也先生によるミニレクチャ−では、音を巡る医学として声の種類や発声の仕組み、音が聞こえる神経経路などについて耳の内部の構造も交えて説明された。特に末梢神経系の12対の脳神経が重要とのことであった。シンポジウムでは、(1)浅野雅子先生が作業療法の定義やその中での音楽の用い方などについて、(2)長谷部夏子先生が精神科病院でご自身が行っている音楽療法活動や音楽療法士が専門性をアピ−ルしていく必要性について、(3)澤田悦子先生が高齢者に対する音楽療法で感覚刺激となる楽器選択のポイントについて、(4)今井常晶先生が発達障害児に対する音楽療法で、対象児のペ−スに合わせることで活発さを引き出すことができたという症例について、それぞれ発表された。
 今回はコラ−ジュ療法というものに初めて触れるとともに、ミニレクチャ−で医学的な勉強ができ、充実した研修会であったと思う。長谷部先生の音楽療法士の専門性をアピ−ルしていくというお話はとても考えさせられた。
(※当日のアンケートより抜粋させていただきました)
 

【編集後記】 (文責:編集委員長 呉竹仁史)

 皆様も年度替りでお忙しいころだと思います。私ども編集委員会も、何とか一年目を乗り切ることができました。来年度はもっと工夫を重ねてスムーズに作業を行なっていきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。(編集委員長 呉竹仁史)
 

日本音楽療法学会北海道支部事務局
【住所】 〒062-0922
札幌市豊平区中の島2条1丁目3-25 カムオンビル

ニューズレター第6号(2004年10月18日発行)

ニューズレター第8号(2005年9月9日発行)


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